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2010.12.31

宮原線の廃線跡を訪ねて(2010年12月訪問)

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宮原線(みやのはるせん)は、久大本線の恵良駅から分岐していたローカル線。
終点の肥後小国駅までの26.6kmは、30年という工期をかけて昭和29年に開通した路線です。きっと九州一の景観を誇る路線だったと思われますが、残念ながら国鉄の中でも特に赤字が大きかったことから、第1次特定地方交通線とされ、昭和59年11月30日をもって廃止されてしまいました。使用されたのは工期よりも短いたった30年という短命でした。

廃止から既に25年を経過していますが、宮原線の形跡はまだところどころに残っているほか、遊歩道として整備されている区間もあることから、その跡をたどってみました。


【豊後森機関区とキハ07】
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宮原線は久大本線の恵良駅が起点でしたが、全ての列車は恵良駅の隣、豊後森駅を始終着としていました。
豊後森といえば、この旧豊後森機関区の扇形機関庫。もう40年も前に廃止されましたが、将来鉄道公園と整備するため大切に保管されています。

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いま九州鉄道博物館に保存されている「キハ07」はかつて、宮原線で活躍していた車両。引退後も上の扇形機関庫でひっそりと保存されていました。

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九州鉄道博物館にある「キハ07」の説明版。
写真にはしっかりと旧豊後森機関区の扇形機関庫が写っています。

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キハ07の車内。こんなレトロな車両で宮原線を旅してみたかった・・・・

【恵良駅】
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かつての宮原線の始発駅。味わいのある古い木造駅舎が健在。
どうやら昭和4年の開通当時の駅舎らしい。しかも駅の左半分は民家として使用されているとのことです

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現在、1日の利用客はわずか39名。とうぜん無人駅ですが、かつての改札の様子がさりげなくわかるような構造になっていました。

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恵良駅のホーム。一番右側にあった3番線がかつての宮原線が発着していたホームらしいです。


【町田駅】
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恵良を出発して最初の駅。廃止から25年経過した今でも、なんとホームと駅名標が健在です。
この町田駅。今のJR東日本横浜線の町田駅がかつて原町田を名乗っていた頃、”原”をとって町田駅に改称しようとした際に、この宮原線の町田駅が先に存在したことから物議があったと記録が残っています。

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町田の集落から町田駅への階段。階段の上が町田駅のホームです。
なんとも味のある風景が今も残されています。

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この町田駅前後の路線跡は道路への転用のため工事が行われていましたが、ホームは道路開通後も残される様子でした。なんともありがたい・・・


【宝泉寺駅】
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町田の次の駅。宝泉寺温泉郷の入口にある駅。
かつてはこの駅で折り返す列車も設定されていたと記録に残っています。
駅の跡は残念ながらほとんど残っていませんが、怪しい形跡が散見される駅跡でもありました。

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宝泉寺駅は集落より高い位置に設置されていたようで、その路線跡は国道に転用されています。

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駅のあった場所には信号や駅名標が残されているというより放置されているような感じの場所でしたが、国道脇にある歩道には怪しげな階段が・・・ 昔の写真と比べてみるともしかしたらこの階段は、ホームにあったそのものではないかと・・・

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国道上に続く階段への入口。なんとなく駅っぽいつくり。これが何なのかはわかりませんでした。


【宮原線といえばアーチ橋】
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廃線後も宮原線は有名な路線ですが、その大きな理由のひとつは今も残るアーチ橋であることは間違いないと思います。
宮原線には7つのコンクリートアーチ橋が残っていて、今でもその姿を見ることが出来ます。
写真のアーチ橋は、麻生釣駅~北里駅に残る、汐井川橋梁(左)と堂山橋梁(右)。アーチ橋が2本同時に見えるこの場所は、宮原線廃線訪問でのベストな撮影ポイントです。

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汐井川橋梁の近景

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堂山橋梁。涌蓋山(わいたさん)をバックにするこの橋は、現役時代の有名な撮影ポイントでもあったようです。

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堂山橋梁の近景

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堂山橋梁横の路線跡

【北里駅】
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終点、肥後小国駅のひとつ手前だった北里駅。国道を車で走っていると道路脇に突然現れるホーム跡にはびっくりします。
現役時代は国道はなかったようで、後ろの山の頂を眺めることのできるすばらしい景観の駅だったことが想像できます。

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北里駅のホーム跡は現役時代のものということですが、ホームの屋根はあとから作られたもののようです。

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北里駅近くの北里橋梁。北里駅~肥後小国駅までの廃線跡は遊歩道になっており、この北里橋梁の上は歩いて渡れます。


【幸野川橋梁】
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宮原線最後のアーチ橋。肥後小国駅跡から約2.5km地点、橋の上は遊歩道になっています。
肥後小国駅跡の道の駅「ゆうステーション」に車を置いて、この橋まで遊歩道を往復するのが宮原線廃線跡めぐりの定番でしょうか?

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この幸野川橋梁はコンクリート橋ですが、鉄筋の変わりに竹を用いており「竹筋橋」といわれています。

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幸野川橋梁の近景

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幸野川橋梁の下から、橋の上に上がる道(どこが道かわかりませんが・・・)。これも遊歩道の一部です!!!

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橋にあがる遊歩道からみた幸野川橋梁

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幸野川橋梁の上。遊歩道になっています。

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幸野川橋梁の上から見た景色。これがかつての宮原線の車窓・・・

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上の写真とは反対側の風景


【廃線跡の遊歩道】
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肥後小国駅跡~北里駅跡までの路線跡は遊歩道として、ボランティアの方々により整備されています。
全長約4kmの遊歩道にはアーチ橋とトンネルが2箇所づつあります。

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遊歩道の景色

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遊歩道の景色

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路線跡の脇には鉄道遺跡と思われるものも発見できます。

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廃線跡に2つあるトンネル。普段は照明が点いていません。

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トンネルの出入り口には照明のスイッチがあります。歩行者が自分でONOFFする仕組み

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トンネル内部。その大きさに改めて驚きます。たった1両の車両を通すにもこんな大きなトンネルが必要だったとは!

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トンネル出口

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トンネルを背に肥後小国駅跡に向かいます。

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遊歩道の肥後小国駅側の入口。ここから肥後小国駅跡までの数百メートルには路線の形跡が見当たりませんでした。

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遊歩道入口にある案内板


【肥後小国駅】
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かつての肥後小国駅周辺は何もない場所だったようですが、廃線後に道の駅「ゆうステーション」が設置され、いまは街の中心になっていました。
そしてこの場所にはかつて駅があったことを伝えるために肥後小国駅構内の線路と駅名標が残されています。

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線路の後ろにあるのが肥後小国駅跡に建てられた道の駅「ゆうステーション」。近代的な建物が目を引きます。

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道の駅「ゆうステーション」内に飾られている「肥後小国駅」の駅名標


【あとがき】
今回の旅行では列車に一切乗ることなく、ゆっくりと廃線跡をめぐり、沿線の温泉宿を堪能してきました。
鉄道趣味というと、いま活躍している列車を楽しむことが多いと思いますが、新しい列車や路線そしてイベントに疲れたときは、時にはゆっくりと廃線跡を巡ってみるのもお勧めです。
かつて列車が走っていた路線や駅の跡を眺めているだけで、色々なことが想像し、またその路線が走っていた地域をより深く知ることも出来、きっと良い意味で気持ちをリフレッシュすることが出来るのではないかと思います。

これぞ大人の鉄道趣味なのでしょうか。さて次はどの路線を巡りましょうか・・・・

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コメント

昭和52~55年頃、当時玖珠町に梅香女子専門学校という学校があってそこへ杖立から宮原線で通っていた人とのに思いをはせて、検索していたらここへたどり着きました。
そのころ、彼女の住所も知らないのに小国の駅に行けば会えるかと思いバイクを走らせ、駅に行ったことを思い出します。
UPしてくれてありがとう。

はぁ…悲しくも寂しい記事ですね。
廃止される前に一度でも乗っておきたかった悔しさが蘇る…

宝泉寺出身です。写真堪能させていただきました。ありがとう。涙が出ましたよ。

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