
飛行機。
5~6年ほど前から各社がマイレージサービスを提供するようになり、このマイレージを貯めるため、複数の航空会社が飛んでいる路線では、多くの人が自分の乗る航空会社を固定するようになって来ました。
私もそんなひとりで、今ではすっかりJAL派の人間です。
しかしJAL派の私でも、羽田に2004/12/1にOPENした「第2ターミナル」と、同日からサービスが改善されその名称も変った「スーパーシートプレミアム」に、非常に興味があったので、今回の出張は久々にANAで東京-福岡を往復してみました。
私の乗った「スーパーシートプレミアム」は、2004/12/17(金)福岡19:50発ANA270便。
福岡空港では19:30から搭乗の案内が開始される。たがここで問題・・・・
「スーパーシートプレミアム」の乗客は、優先搭乗の権利があるのですが、福岡空港の地上係員がこのことをはっきり言ってくれません。
「優先搭乗ご希望のお客様はいらっしゃいませんか?」
「小さなお子様やご登場に際しお手伝いを希望されるお客様・・・」
というだけで、「スーパーシートご利用のお客様」とは中々言ってくれません。しかも二人の係員が同時に別々に声を上げるので、何を言っているのかも聞き取れない状態。
スーパーシートとは関係ない話ですが、この案内方法もぜひ改善して欲しいと思いました。
機内に入るとスーパーシートのある2階に上がります。
このANA270便は初期のジャンボ機である747SR型。全日空が今の塗装になる前から就航していた機体で、今となっては結構貴重な存在。私個人的には15歳の時にはじめて乗った飛行機が、このANAの747SRでした。
階段を上がると客室乗務員のお姉さんが「いらっしゃいませ!」と笑顔で出迎えてくれます。
747SRのスーパーシートは20席。真ん中を通路に(2+2)×5列のシート配置です。2階席の小さい747SRなので、結構落ち着いた空間です。
腰掛けると客室乗務員が、「スーパーシートプレミアムにご搭乗ありがとうございます」と、声をかけられひざ掛けを渡されます。
私は特に必要ないのですが、無条件で渡されるみたいなので受け取りましたが、東京まで使用することはなく、ずっと座席前のポケットに入れたままでした。
「スーパーシートプレミアム」にはクッションも用意されていますが、こちらは希望者のみと言うスタイルで、客室乗務員がクッションを手に持ちながら、声をかけた客だけに渡していました。
ひざ掛けもそのような配布で良いと思うのですが、高級感を演出したいのか、全員に配布でした。
また座席前のポケットには、少し高そうなスリッパが入れられていますが、これも私には必要ありませんでした。
座席は、「スーパーシートプレミアム」になって新しいものが導入されたのかと思っていましたが、そうではないようです。
私の乗った747SRのスーパーシートの座席にある音声サービスのボタンはレトロなダイヤル式のものでしたが、機内誌に掲載されていた「スーパーシートプレミアム」紹介欄にある座席の写真と見比べると、シートの柄が少し違うだけで全く同じものでした。
19:55。ANA270便は定刻より少し送れて福岡空港を出発。
離陸後、飛行機は一旦南下し、久留米の手前で進路を左に向け、一路東京に向かういつものコースを進みます。
水平飛行に入った20:15。先ずは「おしぼり」サービスから開始されます。「おしぼり」は布製の暖かいもので、客室乗務員から乗客一人一人に丁寧に提供されます。
「おしぼり」の提供が終わるとすぐに「ドリンクサービス」が開始。
「ドリンクサービス」は、トレイの上に数種類のアルコール・お茶・ジュース類を置いて、客に好みのものを取ってもらう方式です。
私は羽田第2ターミナル開業記念デザインの銀河高原ビールを選ばせてもらうと、透明なプラスチックのコップとナッツ等が入ったおつまみが渡されました。
このあと、「食事」が来るものととても期待していたのですが、客室乗務員が次に配り始めたのは食事にしては小さな箱でした。
それは食事ではなく、「茶菓」・・・
「スーパーシートプレミアム」登場の広告には機内食サービスが大きく扱われていたので、どんなものが提供されるのか非常に楽しみで、これが食してみたいのが今回「スーパーシートプレミアム」に乗った一番大きな理由だっただけに、茶菓が配られた時のショックは大きかったです。
すぐに機内誌で食事の提供について確認したところ、夕食が提供されるのは17:30~19:30に出発する便だけとのこと。
そのほか朝食は9:00までに出発する便。昼食は12:00~13:00に出発する便。
つまり1日の飛行機の出発する時刻が6:00~21:00の15時間あるとして、そのうち機内食サービスがあるのはたった6時間の間に出発する便だけで、時間帯だけで見ると40%しかないことに気が付きました。
当然時間帯によっては機内食がない時間帯もあることは理解していましたが、19:50発の便で夕食が付かないことは想像すらしませんでした。
「スーパーシートプレミアム」のサービス紹介で大きく取り上げられている「機内食」は、実は半分以下の便でしか提供されていないとは、ちょっと誇大広告のような気もしたし、それに気付かなかった自分にも反省しました。
ただ全く「食事」がないわけではなく、茶菓を配り終えると客室乗務員は「こういうものもご用意できます」と、カップ型のインスタントうどんを手に客に聞いて回ります。
もちろん「機内食」を期待していた私はお願いしましたが、周りを見てもほとんど乗客が私と同じようにうどんを依頼していました。
「うどん」は、小さなトレイにお湯を入れたばかりのカップうどんと箸、小さな七味がのった形で、客室乗務員から「2~3分たってからお召し上がりください」と言われ渡されます。
「ANA特製 とびっきり おうどん」と書かれたカップうどんは直径10センチ程度の普通のカップめんの半分程度の小さなものでしたが、左手眼下に大阪市内の夜景を見ながらおいしく頂きました。
以上で「スーパーシートプレミアム」のプレミアムな機内サービスはすべて終了し、ANA270便は21:20に予定通り羽田のC滑走路に着陸しました。
ところで今回体験したANAの「スーパーシートプレミアム」の素直な感想として・・・
<乗客>
声をかけてきた客室乗務員に「よろしくお願いします」と返答する上品な乗客も見受けられる中、傲慢な感じがする乗客も何人か目に付いたのも事実。
大きい声で用を言いつけたり、客室乗務員がわかるはずもない質問を投げかける人など・・・・
私の乗った便だけのことなのかもしれませんが、こういった客層の中はあまり落ち着きません。
<機内食>
今回は機内食が食べれませんでしたが、広告を見ると提供されるのはお弁当のようなもの。
今回の区間と同じ東京-福岡間を結んでいるスカイマークエアラインズのスーパーシート(シグナスクラス)では、国際線と同じようにホットミールを提供されたのを何度か経験しています。
また食後のコーヒーも紙コップでなく、きちんと陶器のカップで提供されていました。(ANAスーパーシートプレミアムは紙コップでの提供でした)
まだスカイマークで同様の機内食が提供されているなら、ANAのスーパーシートプレミアムよりも質は良いものであると考えます。
ただスカイマークもいつの間にか、機内食提供時間がANAと同じ条件になっていました。
<シート>
ANAスーパーシートプレミアムのシートは必要以上に横幅が広い感じがします。
確かにワンクラス上のシートなんだと言う風格はあるのですが、そんなに広い幅は私には必要ありません。
機内食も出ない時間帯なら、普通席より少し快適で1000円の追加料金で乗れるJALの「クラスJ」の方が使い勝手が良いと思いました。
更に一番嫌だと思ったのは、スーパーシートなのに、窓側でもない通路側でもない座席が機体によっては存在します。
プレミアムな料金まで払って、人に挟まれる席に座りたくないと思うのは、私だけではないと思います。
JAL派の私らしい意見になってしまいましたが、ANAスーパーシートプレミアムのような席を必要とされる客層もいるのも事実であり、今後も国内線の最高級のシートを目指し頑張って改善していってもらえればと思っています。
また興味あるサービスが登場したときには、JAL派の私もANAに乗ってそのサービスを楽しんでみたいと思います。
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