ベネチア行の列車でコンパートメントひとり占め・・・
最近精力的に外国の列車記事をお書きになっている「マーチャンのお話」の
熟女一人旅の乗り物(63) 乗り物大好き1・列車の旅・コンパートメント(1)へのトラックバック
もう約16年前、私が18歳のころの話になりますが・・・
南フランスのニースから、イタリアのベネチア行きの夜行列車に乗ったことがあります。
この列車は夜行なので、もちろん寝台車も連結されていましたが、ユーレイルユースパスで貧乏旅行中だった私は、日本円にして千数百円程度の追加料金で乗れる寝台車も敬遠し、一般席で移動することにしました。
ニース駅に入ってきたベネチア行きの列車は、イタリア国鉄の車両で編成されたもの。
乗り慣れていたフランスのコラーユ型客車に比べ、ちょっと古さを感じる車両でしたが、私の乗ることの出来る2等一般席車両はコンパートメント(個室)になっていました。
このコンパートメント。2等も1等も対した差はなく、1室には6名分の座席が配置されています。
3人用のシートが向かいあったスタイルで配置され、空いていれば向かい合ったシートの腰掛け部分を互いに中央に引っ張ることで、ほぼフラットな簡易ベットを作ることが出来ます。
ヨーロッパの一般的な列車は、指定席車両と自由席車両の区分はなく、誰かが予約を入れれば座席単位に予約があることを示す黄色い札が挿され、予約した人以外がその座席に座ることがないように注意を促すような仕組みとなっています。
簡単に言うと、誰も座席予約を入れなければオール自由席。 まずないと思いますがみんな予約で埋まってしまえば、オール指定席ということも可能な体系のようです。
話を戻しますが・・・
このベネチア行きの2等座席車には、どのコンパートメントにも予約があることを示す、黄色い札はどこにもなかったため、私は一番揺れが少ないと思われる、車両の真ん中の個室に入りました。
ニース出発時の乗客はほとんどいなくて、ひとり1個室占領は当たり前、まだ主のいない個室もありました。
列車は、1時間ほど走るとフランス・イタリア国境駅であるベンテミリアを超え、イタリアに入ります。
途中モナコ等、いくつかの駅に停車しましたが、この列車に乗り込む新たな乗客は特にいない状態でした。
そろそろ寝るかということで、窓のカーテンを閉め、コンパートメント通路側から光が挿しこむので、通路側のカーテンも全部閉めてしまい、外からはこのコンパートメントの内部が全く見えない状態にして、電気を消して寝ることにしました。
この状態、決して私だけが行ったものでなく、トイレに行く途中の部屋もすべてカーテンが閉じられていました。
私は長旅で体が疲れていたのか、そのあとぐっすり眠ってしまいました。
追加料金のいらない一般席で、しかもコンパートメントをひとり占めで安眠してしまうなど、日本の「青春18切符」を愛用している人から見たら、きっと羨ましく思われる状態だったかも知れません。
列車は途中、ミラノなどの大都市にも停車したはずなのですが、熟睡していた私は全く気がつきませんでした。
私が起きたのは、外がすっかり明るくなったベローナを過ぎたあたり。
「良く寝たな・・・」と思って、外を見てイタリアらしい風景にしばし見入っていました。
夜中に誰か、他のお客さんが部屋に入ってきた様子もなく、部屋にはまだ私ひとりでした。
「ちょっとトイレにでもいこうか」と思って、通路側のカーテンを少しあけたら・・・・・
通路には、何人も人がいたのです。
幸い通路には簡易座席のような折畳式の座席があり、ほとんどの人が腰掛けていましたが、立っている人もいました。
コンパートメントの扉をノックして入ってくればいいのに・・・・
小心者だった私は、通路に立っている人からの視線が怖くて、コンパートメントから出ていく勇気がもてなくて、そのまま個室の中ですごしました。
他のコンパートメントも、私と同じような状態で、みんなカーテン閉まっているようでした。
今思えば、列車に乗ってきた人には大変悪いことしたような、後味の悪い思い出となっていますが、カーテンの閉まっているコンパートメントには立ち入らないというのが、イタリア人の気質なのかなと思ったりします。
列車は、この後1時間ほどで、水上都市ベネチアに到着したのでした。
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コメント
この記事へのコメントは終了しました。
僕も欧州を一ヶ月ほど列車で移動したことがありますが、コンパートメントって、使い方が難しいですよね。
僕は小心者なので、閉鎖空間に見ず知らずの他人といるのは結構気詰まりです。話しかける勇気もないし。
ですから、インターシティーなどでも極力オープン式の車両を選んで乗っていました。
Primera
投稿: Primera | 2004年5月11日 (火) 00時47分
マーチンさん。
コメント有難うございます、
オトナかどうかは分かりませんが、今後も乗り物の話題を中心に公開していきたく思っていますので、よろしくお願いします。
投稿: 海外鉄道旅行愛好者 | 2004年5月10日 (月) 23時45分
こんばんは
乗り物好きのオトナの方にお目にかかれて嬉しいです。
トラックバック、ありがとうございました。
私のココログからも、リンク貼らせていただきました。
投稿: マーチャン | 2004年5月10日 (月) 18時18分