列車での国境越えの思い出 (2) 【フランス→ベルギー→ドイツ】
EUが統合してから、ヨーロッパには行ったことないので、今ヨーロッパでの列車での国境越えがどうなっているかは分かりませんが、私が最後にヨーロッパを旅した時(1993年)までは、国境を越える列車に乗るとこんな感じでした。
パリーハンブルグ間の夜行列車の場合
この列車は、フランスの客車とドイツの客車で混成された列車でした。
私はフランス製の当時は新型であった特別料金不要の「キャビン8」と呼ばれた4段寝台に乗り込みました。
4段寝台。これはすごいですよ。寝るところは別途ではなく「ヘ」の字を上下反対にしたような構造の硬いシートが4段重なっているんです。
しかも頭は上下で交互になるようになっており、頭の方は広く、足のほうは狭い。上から見ると三角のシートです。
まあ、シートとは名ばかりで、駅によるあるプラスティックの椅子の変形バージョンとでも言ったほうが良いような品質でした。
パリを出たときに、8人部屋4段寝台の部屋には、私ひとり。窮屈ですが貸切状態です。
①パリを出発するとまもなく、車掌がチケットを拝見に来ます。これは国境を越えない日本の列車でも普通なこと。
切符を見せたあと、部屋の明かりを消して、仮眠体制に入ります。
完全に寝入ったと思うところで、突然部屋の扉が開き、電気がつきます。
国境係員の人です。列車はフランスからベルギーに入ったのです。係員に「パスポート」を見せると、一応礼をいい、電気を消して部屋の扉も閉めてくれます。
②さて、又寝るかと思うと、再び扉が開き、部屋の電気をつけられます。
今度は何?って寝ぼけ眼でみると、車掌さん。 列車がベルギーに入ったことで、また切符の拝見です。
切符を見せ、再び睡眠体制に入ります。
ところが・・・
③また扉が開き、電気がつけられました。また国境の方です。列車はベルギーからドイツに入っていました。
係員は簡単にパスポートを見ると、隣の部屋に移動していきます。
また電気を消して、寝ようとすると
当然
④今度は、ドイツの車掌さんが登場。切符の拝見です。
このときは、「どこまで行くんだ?」と聞かれ「ハンブルグ!」と答えたことを覚えています。
それからしばらくは、少し長い時間寝れたのではないかと思います。
ところが夢の中で起こす人が・・・・
⑤車掌さんが私の体を揺らしているではないですか! 「まもなくハンブルグだぞ!」
そう最後は、外国人の私をきずかって、到着駅を知らせに来てくれたのでした。
有難う!
でも、本当は「ハンブルグ」はハンブルグでも、一番大きな「ハンブルグ中央駅」でなく、列車の終点の「ハンブルグ???駅」まで行きたかった。
まあ、車掌さんは私が列車好きとは思っていないでしょうから(笑)
私は、車掌さんのご親切に甘える形で「ハンブルグ中央駅」に降り立ったのでした。
これが当時、最も普通の国境越えの経験だったと思います。
EU統合でこんな経験ももう出来ないんでしょうね。
他の国境越えはまた次の機会に・・・・・
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